病院の駐車場管理委託契約を見直す方法|駐車料金・収益歩率・仕様書のチェックポイント
病院の駐車場管理委託契約は、一度契約を締結すると自動更新が繰り返され、長年見直されていないケースが少なくない。
また、駐車場は病院本体の診療業務ではないため、収益事業というよりコストセンターとして扱われることも多い。
しかし実際には、仕様書や契約条件を見直すことで、コスト削減だけでなく収益改善につながる余地が大きい契約の一つである。
管理者の配置は本当に必要か
駐車場管理委託では、平日終日管理者を配置している契約も多い。
しかし、
- トラブル件数
- 駐車券紛失件数
- クレーム件数
などの実績を確認すると、必ずしも常時配置が必要ではないケースもある。
まずは実績データを確認し、配置時間が適切か検証したい。
夜間有人対応は必要か
近年では多くの駐車場管理会社がコールセンターを運営している。
そのため、夜間は現地常駐ではなく遠隔対応へ切り替えられる可能性もある。
病院特有の事情はあるものの、夜間体制については見直し余地がある。
集金頻度は適切か
現金回収の頻度によって委託費は変わる。
例えば、
- 毎日回収
- 週1回回収
- 月1回回収
では、業者の業務負担が大きく異なる。
キャッシュレス化が進んでいる現在、従来の集金頻度が本当に必要なのか確認したい。
精算機台数と人員配置
精算機を増設することで、管理員の業務負担が軽減される場合がある。
設備投資と人件費削減のバランスを比較しながら、最適な体制を検討することが重要だ。
保守契約の範囲を確認する
駐車場管理契約では、
- 駐車券
- プリンタ消耗品
- 通信費
- 精算機保守
などが別料金となっているケースがある。
契約金額だけを見るのではなく、どこまでが契約範囲なのかを確認したい。
駐車券単価は適正か
見落とされがちだが、駐車券そのものの単価にも差がある。
長年同じ業者から購入している場合は、相場との比較を行いたい。
キャッシュレス手数料の負担者
キャッシュレス決済が増える中で、
- 病院負担
- 委託会社負担
のどちらになっているか確認が必要だ。
契約内容によっては病院側の収益を圧迫する要因となる。
収益歩率は適切か
病院駐車場では、
- 固定賃料型
- 収益歩合型
など契約形態が異なる。
収益歩率が市場水準と比較して妥当かどうかを確認したい。
駐車場利用者数が多い病院では、大きな差になることもある。
無料時間設定は適切か
例えば、
- 外来患者3時間無料
- 外来患者6時間無料
などの運用がある。
しかし、無料時間が長すぎると収益機会を失う可能性がある。
患者サービスと収益性のバランスを検討したい。
KPIを把握できる仕組みがあるか
重要なのは、
- 駐車場利用台数
- 稼働率
- 売上
- 無料券利用数
などのデータを病院側が自由に確認できるかどうかである。
データが見えなければ改善もできない。
仕様書の中に報告義務を盛り込むことも有効だ。
契約期間と解約条件
駐車場設備の導入を理由に、長期間契約となっているケースもある。
しかし、
- 契約期間
- 中途解約金
- 機器撤去費
については事前に確認しておく必要がある。
将来の選択肢を狭める契約になっていないか注意したい。
電気代や災害対応も確認する
見落とされやすい項目として、
- 精算機の電気代
- ゲート設備の電気代
- 監視カメラの電気代
などがある。
また、積雪地域では、
- 除雪費用
- 雪害対応
の負担区分も重要だ。
災害時の対応ルールも契約上明確にしておきたい。
駐車料金改定権は誰が持つのか
最も重要なポイントの一つが、駐車料金改定権である。
料金設定の主導権が委託会社側にあると、病院が自由に運用を変更できない。
病院経営上の判断を反映できるよう、契約上の権限整理は必須である。
駐車場契約も病院側が主導権を持つ
駐車場管理委託契約では、
- 駐車料金
- 収益歩率
- 電気代負担
- 契約期間
- KPI管理
など、多くの重要事項が仕様書で決まる。
仕様書作成を委託会社任せにすると、知らないうちに主導権が委託会社側へ移ってしまうこともある。
病院の駐車場は単なるコストセンターではない。
適切な契約管理と運用改善によって、患者サービスを維持しながら収益改善につなげることができる。
一度、自院の駐車場契約を点検してみてはいかがだろうか。

