逆ザヤでないチューブへ切替!
逆ザヤとは
先に述べたように医薬品では薬価に対して、交渉で得られた納入価がある。
薬価決定には国でさまざまなルールがあるが薬価がとことん落ちた医薬品は、「不採算品目」と言って薬価に対する補填が行われている。これがメーカーの手上げによるのだから不思議だ。前回の薬価改定で一部のメーカーが手挙げをしたが、今回の薬価改定で影響を見て他社がこぞって手を挙げた。これがまた医療機関の材料費高騰にも少なからず影響している。
逆ザヤでない品目への切替
軟膏基剤の集約にも取り組んだ事がある。
同種同効品も含めて集約するがこの手のものは納入価が薬価を上回る、いわゆる逆ザヤになっていることが多い。
まして、軟膏がチューブに入っている場合はチューブの材料代のために逆ザヤであることが多い。
削減効果こそ大きくないが、逆ザヤ、医療機関の収益からの持ち出し、を防ぐ意味でも効果は大きい。
白色ワセリンからプロペトに集約したが、不思議なことに100gチューブは逆ザヤだが、なんと200gチューブは逆ザヤではない。
形態が瓶になったり、あまりに大容量になったりしては使いづらいが同じチューブの100gと200gでは運用上の大差もない。
それにより切替は進んだ。
こうした費用削減に加えて、利益逸失を防ぐ取り組みも行っている。
しかしながら医薬品費は高額薬剤のシェアが大きくなり過ぎて、それらは薬価防衛のため交渉が難しく、費用は高止まりしている。軟膏基剤は小さな取り組みでありABC分析で言うと、明らかにCのゾーンだが、軟膏は一度決めたら採用を変えることはなかなかないだろう。
きっと、この取り組みは「ロングテール」戦略なのだ。