病院のCSセット・テレビ・Wi-Fi契約を見直す方法|患者サービスと収益改善を両立する契約のポイント
病院には、一度契約すると長年見直されることなく更新され続ける契約がある。
その代表例が、CSセット(入院セット)や病室のテレビ・冷蔵庫・Wi-Fiなどのアメニティ契約である。
患者サービスとして導入されることが多いが、実際には病院経営にも大きく関わる契約であり、定期的な見直しが必要である。
CSセットとは
CSセットとは、入院患者に対して
- 病衣
- タオル
- 紙おむつ
- 日用品
などを日額料金で提供するサービスである。
患者や家族は入院準備の負担が軽減され、病院側も在庫管理や現金授受、未収金管理などの事務負担を減らすことができる。
利用料金は事業者へ直接支払う方式が一般的で、支払い方法は口座振替やクレジットカード決済、コンビニ払いなど、事業者によって異なる。
主な提供事業者
代表的な事業者には、
- エラン(CSセット)
- トーカイ
- ワタキューセイモア
- 小山メディカルサービス
などがある。
地域によっては、リネンサプライ会社が独自に提供しているケースもある。
契約で見直したいポイント
CSセット契約では、価格だけでなく次のような点を確認したい。
- 病院への業務委託手数料
- 契約期間
- 解約条件
- 利用実績データの提供
- 病棟での説明業務の範囲
- 病棟職員の負担
- 未収金対応
- サービス内容
病院への手数料率は公開された相場がなく、病院規模や契約内容によって異なる。
そのため、複数社から提案を受け、契約内容全体で比較することが重要である。
おむつメーカーも見直せる可能性がある
紙おむつについては、事業者が指定する製品を使用するケースが多い。
しかし、病院グループで共同購入を行っている場合などは、標準採用品への変更が可能なケースもある。
共同購入やフォーミュラリーの考え方と合わせて、一度相談してみる価値がある。
患者への説明方法にも注意
CSセットは患者サービスであり、利用は患者本人の選択による。
そのため、
「CSセットを申し込んでください」
という説明ではなく、
「ご希望の方はお申し込みいただけます」
など、任意であることが分かる説明としたい。
事実上の強制と受け取られるような案内は、適時調査などでも問題となる可能性があるため注意が必要である。
テレビカードの時代は変わりつつある
病室設備についても、大きく変化している。
以前は、
- テレビカード
- 冷蔵庫カード
が一般的だった。
しかし近年では、
- テレビ
- 冷蔵庫
- Wi-Fi
をセットにした日額定額制へ移行する病院が増えている。
料金は病院によって異なるが、おおむね400〜550円程度/日の設定が多く見られる。
テレビカードを購入する方式ではなく、入院時に申込みを行い、退院後に事業者へ支払う仕組みであり、運用面ではCSセットに近い形となっている。
現金を扱う機会が減り、病院職員の負担軽減にもつながっている。
テレビ・Wi-Fiサービスの主な事業者
代表的な事業者には、
- パースジャパン
- USEN-ALMEX
- 総合メディカル
- パラテクノ
- リース東京
などがある。
テレビカード方式だけでなく、Wi-Fiやキャッシュレス決済を組み合わせたサービスへの転換も進んでいる。
アメニティ契約全体を見直すという発想
CSセットとテレビ・Wi-Fi契約は、それぞれ別契約になっている病院も多い。
しかし現在では、同じ事業者が両方を提案するケースも増えている。
契約更新の際には、
- CSセット
- テレビ・冷蔵庫
- Wi-Fi
- 床頭台
を個別ではなく、「病室アメニティ全体」として見直すことで、より有利な条件を引き出せる可能性もある。
患者サービスと病院経営の両立を
CSセットや病室設備は、患者サービスとしての役割が大きい。
一方で、病院にとっては収益や業務効率化にも関わる重要な契約である。
導入後は契約内容が固定化しやすい領域でもある。
だからこそ、
- 契約期間
- 解約条件
- 手数料
- サービス内容
- 患者説明
- 利用実績
などを定期的に確認し、病院にとっても患者にとっても最適な契約となっているかを見直したい。
病院経営では、医薬品や委託契約だけでなく、このような「病院に眠る利益契約」にも改善の余地が残されている。

