病床削減時に見直すべき契約15選|病院の固定費を下げるコスト削減ポイントを解説
近年、病院経営では病床削減や病棟再編が大きなテーマとなっている。
• 地域包括ケア病棟への転換
• 回復期への再編
• 病床適正化
• 稼働病床調整
• 病棟閉鎖
など、病院の機能再編が進む中で、収益構造だけでなく「固定費構造」の見直しも重要になっている。
しかし実際には、
「病床数は減ったのに契約が昔のまま」
というケースが非常に多い。
特に病院は、
• 許可病床数ベース
• 病棟数ベース
• 人員固定型
で契約されているものが多く、病床削減後もコストだけが残り続けることがある。
今回は、病床削減時に見直すべき代表的な契約について整理したい。
①リネン・寝具契約
最も見直し効果が出やすい契約の1つだ。
見直しポイント
• シーツ交換枚数
• 毛布・枕在庫
• 予備在庫数
• 実稼働病床との乖離
特に注意したいのは、
「許可病床数基準」
で契約されているケースだ。
例えば300床許可の病院が220床運営になっていても、300床前提の契約のままになっていることがある。
病棟閉鎖時に見直し必須となる。
②清掃委託契約
見直しポイント
• 病室清掃頻度
• デイルーム
• トイレ清掃
• 夜間配置
• 日曜体制
特に、
「人工固定契約」
になっていると、病棟閉鎖後も人員数が減らず高止まりしやすい。
③床頭台契約
近年特に見直し余地が大きい。
見直しポイント
• テレビ台数
• 冷蔵庫設置数
• Wi-Fi契約
• テレビカード収益
病床削減後も台数が据え置きになっていることは珍しくない。
また、テレビカード利用率はスマホ普及で低下しており、昔の契約が適正とは限らなくなっている。
④医療ガス関連契約
酸素以外も含めて見直し余地がある。
見直しポイント
• ボンベ交換頻度
• 巡回点検
• 保守費
• 使用量連動条件
病棟閉鎖後も巡回頻度が変わっていないケースがある。
⑤SPD契約
病床削減時に非常に重要。
SPDは、
• 搬送便数
• 病棟定数
• 人員配置
が病棟数に連動している。
見直しポイント
• 搬送回数
• 定数配置
• ピッキング体制
• 夜間配送
閉鎖病棟にも定数棚が残っていることがある。
⑥廃棄物契約
感染性廃棄物は病床数減少と連動しやすい。
見直しポイント
• 回収頻度
• コンテナサイズ
• 定期回収契約
• 分別ルール
特に、
「感染性廃棄物化しすぎ」
は病院でよく見られる。
⑦給食委託契約
病床削減の影響が非常に大きい。
見直しポイント
• 最低食数保証
• 配膳動線
• 厨房人員
• 早朝配置
ただし給食は急激に人員を減らしにくく、契約条件確認が重要となる。
⑧警備委託契約
閉鎖病棟があっても巡回体制が変わっていないケースがある。
見直しポイント
• 夜間巡回範囲
• 常駐人数
• 巡回回数
• 監視カメラ活用
⑨エレベーター保守契約
病棟閉鎖階がある場合は見直し余地がある。
見直しポイント
• 稼働停止階
• 運転台数
• 点検頻度
• フルメンテ契約内容
⑩空調保守・フィルター交換契約
閉鎖病棟の空調がフル稼働のままになっていることがある。
見直しポイント
• 稼働時間
• フィルター交換頻度
• 温度設定
• 空調ゾーニング
⑪Wi-Fi・アクセスポイント契約
最近増えている見落としポイントだ。
見直しポイント
• AP台数
• 回線容量
• 病棟別契約
• 保守費
病棟閉鎖後もAPだけ残っているケースがある。
⑫電話・ナースコール保守契約
古い病院ほど契約が複雑化している。
見直しポイント
• 回線数
• PHS台数
• 保守範囲
• 未使用端末
⑬医療機器保守契約
病棟閉鎖時に放置されやすい。
対象例
• 生体モニタ
• シリンジポンプ
• 輸液ポンプ
• ベッドサイド機器
閉鎖病棟に配置されたまま保守契約だけ継続していることがある。
⑭ベッドレンタル契約
購入ではなくレンタルの場合は特に注意。
見直しポイント
• 実配置台数
• 予備台数
• エアマット契約
• 特殊ベッド
⑮ユニフォーム・洗濯契約
病棟閉鎖に伴う人員減少時に見直し余地がある。
見直しポイント
• 貸与枚数
• 洗濯頻度
• 職種別枚数
• 予備在庫
病院グループでは施設ごとの差も大きい。
病床削減時に最も怖いのは「契約放置」
病床削減時、多くの病院は収益減少には敏感になる。
しかし実際には、
「300床時代の固定費」
が220床運営になっても残り続けているケースが少なくない。
特に病院では、
• 「昔からこの契約」
• 「一時閉鎖だからそのまま」
• 「再開するかもしれない」
という理由で契約見直しが後回しになりやすい。
病床削減時は“契約総点検”のタイミング
病床削減や病棟閉鎖は、単なる収益構造見直しではない。
むしろ、
「病院全体の固定費構造を見直す機会」
とも言える。
特に、
• 許可病床数基準
• 固定人工契約
• 自動更新契約
となっているものは注意が必要だ。
病床削減時には、契約全体を洗い直し、「本当に今の病院規模に合ったコスト構造になっているか」を確認することが重要だろう。

