2026年度診療報酬改定は「人員基準緩和」が大きなテーマ|多職種協働加算・ICT活用・常勤要件見直しを解説

2026年診療報酬改定は、「人員記事の緩和」が大きなテーマとなった改定だった。

これまでのような「非常勤を組み合わせて常勤換算する」といった限定的な対応ではなく、常勤職員の定義そのものについて見直しが進み、柔軟な人員配置を認める方向性が打ち出された。

特に象徴的なのが、多職種協働加算に代表される「病棟業務の役割分担」の推進だ。

従来、病棟は看護師中心で運営される色合いが強かったが、今回の改定では、リハビリ職種や管理栄養士などのコメディカルが病棟運営へ関与しやすい設計へと舵が切られた。

また、リハビリ職種についても、リハビリ以外の病棟業務へ従事した時間を一定範囲で評価対象に含める考え方が導入され、人員活用の柔軟性が高まっている。

さらに、医療安全対策や感染対策の専従看護師についても、一部時間帯で他業務への従事を認める方向となり、「完全専従」から「一定の兼務容認」へと制度の考え方が変化し始めた。

看護配置基準についても大きな変化が見られた。

見守り機器などICTを導入した場合、看護師配置の変動許容が拡大され、一定条件下では1割以内の配置変動を認める運用が導入された。今までも期間限定の1割以内変動は許容されていたが、理論上ずっと1割以内変動でも良いこととなった。

加えて、新型コロナ感染拡大時のような急激な患者変動に対しても、一定期間の配置変動を認めるなど、現場実態に合わせた柔軟化が進められている。

背景にあるのは、深刻化する医療従事者不足だ。

人口減少が進む中で、これまでのように「必要人員を確保し続ける」前提の制度設計そのものが難しくなっている。

今回の改定では、急性期・回復期・在宅など病院機能の分化をさらに進める方向性も強く示された。

急性期を担うのか、後方支援や回復期を担うのか。

病院ごとの役割分担を明確にし、それに応じた人員配置へ転換していく――。

そうした流れの中で、外科医など高度専門職を病院間でシェアする動きも徐々に広がり始めている。

今回の診療報酬改定は、単なる点数改定ではなく、「人が減る時代の医療提供体制」を見据えた転換点となる改定だったと言えるだろう。

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