R-SUDの導入

今更ながら注目しているのがR-SUD(再製造単回使用医療機器)の使用だ。存在を知っており近年増えてきているのでぜひ導入したいと思いつつも、なかなか推進力が得られず、出遅れてしまったが、ようやく導入のめどが立ってきた。全国450ほどの医療機関が導入しておりJCHOや日赤、自治体病院などでも例があるほか、令和6年の診療報酬改定で全国的には加速したとのこと。

簡単に言えば、トロッカーや電極カテーテルなどの院内滅菌からの再利用、を抑制してメーカーが収集、分解、滅菌、再製造をし、再び同一用途での単回使用医療機器として販売されるものだ。

医療機関の業務としては収集に協力することと、再製造された医療機器を7掛けの償還価格で使用することだ。収集面では廃棄量の減少が見込まれ、使用面では、償還価格が安価なものを購入できる権利が廃棄している病院には得られる。償還価格が安価になると、差額の利益は従来品より少なくなってしまうが、診療報酬改定により補填が得られることになった。

病院としてはデメリットはなく、国としても医療機器の再利用に加えて医療費を抑えることにも繋がるので、メリットは大きい。メーカーとしては、回収した材料をもとに滅菌などして新しい材料を製造するが、もともとは他社の作った電極カテーテルなどなので、原材料が是が非でも欲しい。回収を手伝う代理店もメーカーからその手数料を受け取ることができる。

収益構造も7がけとなっていても、収集、滅菌、再製造のコストが従来品より安価でビジネスとして成立しているはずだ。

導入するには外科系の医師を含めた理解と看護部による廃棄品と収集品の分別が生じることへの理解が必要だ。基本的には環境保護や経営的にもデメリットは少ないので、院内としての方針をしっかり立てることができれば理解は得やすいだろう。医療機器には単回使用の機器や検査でもディスポのものがとても多い。このように正規のルートで再利用をすることができれば医療費の削減が見込め、高額療養費の引き上げというより望ましい形での実現が可能だろう。

なかなかややこしい名前がついているので、導入を進めるのに流されてしまうことがありそうだ。純粋にとっつきにくいところが第一関門となっていそうだ。診療報酬改定でも点数がついたものの、相変わらず医療機関の収益の補填という目的がわかりづらい。導入病院もあまり明らかになっていない他、収集ディーラーも限定的であるゆえ、拡散しないのだろう。

日本ストライカーや、ホギメディカルの機器が対応しているのでメーカーに確認すると、調整が進みやすいと思われる。

対象材料も海外並みに広がり、医療費削減のための大きな手段となり得ることを期待したい。

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