LED照明、節水コマ、空調、省エネ設備

表題のLED照明、節水コマ、空調、省エネ設備は病院の施設用度や管理に携わったことのあるひとであれば分かると思うが、競合他社が非常に多く、ビジネスモデルも複雑な領域で業者の選定基準が難しい。グループ病院などでも、なかなかグループとして取り決めがあるところも少ないだろう。

本当にスキームもいろいろあり、十人十色という様相だ。初期費用がかからないとか、製品に特許を取っているだとか、唯一無二のスキームを訴えて競合との比較なしに、独占契約をするケースも見られるので悩ましいところだ。成功報酬、というスキームすらある。スキームが違うと相見積もりもできず、独占状態になる。

本来は比較テンプレートを作るのが望ましいと考える。

LED照明(満点20点)であれば、

①技術品質:LEDメーカーの信頼性　2点、保証期間　2点、寿命　1点、フリッカーレス　1点

②価格:LED単価　3点、工事費1点

③効果保証:削減率の根拠　3点、保証対応の有無　2点

④アフター:故障対応　2点

⑤信用性:医療機関での導入実績　3点

という内容だ。

節水コマや節水機器については(満点15点)

①技術:節水率の根拠　3点、衛生面への影響　1点

②価格:本体単価　2点(市場価格との比較)、工事費用　1点

③効果保証:保証内容　節水効果の◯%保証

④アフター:不具合対応の早さ

⑤信用性:医療機関や高齢者施設での導入実績

という具合。

さらに専門的でとっつきにくい空調制御(満点25点)では、

①技術:制御方式　AI制御、PID制御、簡易制御の違い　4点

既存の空調設備との適合　メーカーが混在でも対応可能か　2点

データ取得　温度、湿度、CO2などのモニター　2点

②削減効果:削減率の根拠　4点

効果保証　3点

③価格:システム費用　3点(相場との比較)、

保守料　1点

④工事負荷:工事、停電必要性　2点

⑤信用性:病院導入実績(中規模病院以上) 2点

省エネ設備全般では、(満点25点)

①技術:エネルギー効率　COP/燃焼効率の良さ　4点、メーカー信頼性2点

②価格:初期費用　4点、補助金対応　2点

③効果:省エネ効果の確からしさ　3点

④導入負荷:工期　診療停止日数　2点

⑤アフター:24時間対応の有無　3点

⑥信用性:医療現場の導入実績　5点

などとテンプレートを作り評価基準をもとに18点以上の業者から選ぶこと、とすればよい。それによりだいぶ誤った業者を選ぶことはなくなるだろう。

また、最低3社以上から見積もりを取るというルールを作れば各病院の選定の際のブレは少なくなる。

そして重要なのは効果保証だ。

例えば削減率の◯%を下回った場合は差額補償、故障率◯%超えで無償補償、契約期間中の撤去費用無償などの保証をつけて交渉することも重要だ。

これらのLEDや節水機器、省エネ設備でもグループ本部などで購入ガイドラインを作成するだけでだいぶ各施設のばらつきを抑え、正確な購入ができるようになるだろう。あまり評判の良くない業者も含まれる業界なので、病院での実績は次の採用に活用できる。

テンプレートなど作成の結果、ノウハウを蓄積し推奨3社などの形で絞ることができれば、効果的な契約がしやすくなる可能性が高まる。

さまざまなビジネススキームがあり、とっつきにくい領域だけに体系化することが必要だ。