病院の給食委託費交渉【とろみサーバ導入による業務効率化】
近年、給食委託業者による値上げが相次ぎ、給食提供に課題を抱えている医療機関は多いはずだ。
最低賃金の上昇や調理師の確保が難航していることに加え、米を中心とした食材料費の上昇が値上げの要因となる。
値上げを認めてくれなければ、契約から撤退、ということも起きており医療機関の立場が弱い状況にすらある。
価格交渉をしようにも、委託会社間で競争も働かない環境下では、コストダウンは難しい。できることとすれば、委託をお願いしている仕様の変更によるコストダウンだろう。
委託会社が提供するものを病院側が行ったり、購入の担当役割を変える、勤務時間を変える、などだ。
いろいろな仕様の変更方法があるが、本稿では大きな一例として、配茶方法の変更について紹介する。
セントラルキッチンの導入や、クックチル、ニュークックチルなどの手法の違いについては別に紹介したい。
配茶方法には病院によって大きな運用の違いがある。
食事提供時にトレーに載せる病院、食後にお茶だけを配る病院などさまざまだ。
この配茶という業務も食事と別に作業が必要になるため負担としては一定のものがある。
最近はペットボトルのお茶やお水を自由に買ってくださいとする病院もあるらしい。
今回はとろみサーバについて紹介する。
本来の使い方としては、とろみの必要な方へ提供する際に用いる機械だが、通常のとろみをつけない給茶機としての利用もできるわけだ。
もちろん、とろみ調整も手作業となり、負担が大きい。
とろみサーバーであれば、24時間、好きなときに、湯沸かし、とろみ調整剤の計量、撹拌まで行ってくれる。
急なニーズにすぐ対応できる便利がある。
しかし、病棟にあるとろみサーバーからの提供作業は栄養士や調理師はできない。
ここで看護部に担当してもらうことが必要になるが、栄養科の業務を押し付けられたとかコスト削減のために業務が増えた、とならないようにすることが必要だ。
給食委託の仕様見直しは運用の見直しになるので、得てして病院側の負担が増えるようにも映りがちだ。しかし、長年検討されていない仕様の見直しが、ただ病院側の業務が増えるのではなく、こういったとろみサーバーの導入により最小限となるのであれば、検討する価値はあるだろう。
ひとつの業務のために委託会社の調理師の残業時間が増えていることもある。給食提供に関わる業務や委託会社との業務分担について示し、病院間で比較すると、かなり運用が異なる。
地場の八百屋からの材料仕入れ、という条件もあったりする。
仕様の見直しのなかで、業務効率化となり結果コスト改善を図ることができるケースも多い。
とろみサーバー導入は一例だが、仕様の点検を栄養室だけでなく他部門も共有できる環境が必要だ。

