酸素の共同購入

病院に必ず納入されるものといえば、酸素だ。

CEと呼ばれる病院の外に聳え立つ円柱形のタンクのなかに入るものと、LGCと呼ばれる酸素ボンベのようなものと2種類がある。目安として、およそ150床クラスの病院からはCEが設置されているだろうか。

LGCタンクは地元の酸素代理店が納入しており、利ザヤがないために共同購入には向かない。CEは、そのタンクへタンクローリーで酸素が納入されるため、利ザヤが大きく、コスト削減が計れるものだ。酸素、という性質上、納入業者もずっと変わらず、何も交渉しなければ価格も高止まりしているだろう。

そもそも、酸素の価格は診療報酬で決められており、離島や豪雪地帯ではそのハードルは高いバーとなるが、一般的な病院では下手をすると納入価格が持ち出しになりかねないことになる。

ゆえに、酸素価格の交渉が重要であり、安価になればなるほど経営上、有利となる。

交渉はCEを取り扱うメーカーと交渉を行うが、スケールメリットにより、交渉はできうる。しかし、なかなか昔からの地元の会社が入っていて交渉が難しい領域であることも付け加えておく。

さらにメーカー変更の際には、病院のCEタンクが病院所有であることが必要となるが、まず自治体病院の場合は自治体なのか、自院なのか、そして自院なのか、酸素代理店所有なのかも確認する必要があり、奥が深い。

自院所有でない場合は切替を工夫して行う必要がある。

タンクの大きさによっても、タンクローリーで運ぶために効率が変わる。小さすぎると頻回の運搬になり、コストに跳ねることになる。タンクの建設時も、どこが設置主体でどのような大きさのものを建てるかは実はすごく重要だ。

また、酸素の原料は工場で作られるため電気だ。電気代の上昇下降は大きく酸素価格に影響するので、下降傾向にあるときは交渉を行う必要がある。

と、ここには書ききれないくらい酸素の世界は奥が深い。いろいろな経験をした。

効果が大きいコスト削減策のひとつだ。

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