コメディカル業務分析
薬剤師、リハビリ、栄養、放射線、検査のコメディカルを対象に、業務内容を洗い出したうえで、その業務負担の比重を設定、複数病院の業務量総計と常勤換算数をグラフにしたところ、見事な相関関係が得られた。他院と比べての業務量や人数配置がどのように異なるのか、すぐ把握することができるようになった。
それによって採用抑制や定数設定に応用できる、ひとつの指標となるということは当初の目的通りなのだが、実はグラフにする前の各職種の業務量内訳データも貴重だと考えている。
うちの放射線はどの業務に力を注いでいるか、他院との違いはなぜなのか?ということが探求できるからだ。単純に撮影件数かもしれないし、放射線治療や術中透視撮影かもしれない。
そのことにより業務見直しをできるということが、タスクシフトが進む今、点検する意味がある。
薬剤師のプレアボイドや検査技師のキャリブレーションなどはかなり病院間で差がある。
これら以外にも、タスクシフトを受けて今まで行っていたが、無駄な業務はやめたり、見直す必要がある。
事務職員についても本来はこのような数値化ができれば良いのだが、医事課と総務課に分けたとしてもレセプト何枚あたり、という基準を作ることなどまだ困難だ。
いくつかの指標を組み合わせることもまだ必要かもしれない。
全国自治体病院協議会が出す、病院経営実態調査報告や、厚労省の出す病院経営管理指標も参考となりえる。
https://www.mhlw.go.jp/content/001252727.pdf
常勤医師、常勤看護師、非常勤医師、非常勤看護師、常勤その他職種、非常勤その他職種の割合を比較することができる。適切なプロポーションとなっているかの確認が必要だ。
看護師については、前に述べた診療報酬で必要な看護師数からどれだけ上回るかの充足率で示すことができる。
人件費が占める割合は、病院経営においてあまりにも大きい。複数の目でモニターして歯止めがかかる指標を持つことが不可欠と考えている。病院長は日々、現場の各部署から人が足りない、人が足りないとの口撃を受けている。正当な判断を行うための武器となるデータが必要だ。