加算や医学管理料の病院間比較

帳票の作成に至るまで

病院の医業収入における算定は、要件を満たした施設基準の届出と加算や医学管理料の算定によって決まる。私はたまたま入社当時、施設基準の法人内施設の横比較ができる帳票作成に携わり、当時まだ出来ていなかった加算や管理料の算定数比較の帳票づくりもずっと必要だと、その時から考えていた。部内で連携してこの帳票を作成し、今では比較ができるようになっている。このことは、DPCファイルを各施設遅滞なく提出してもらうこととリンクするので、ここに至るまでの時間を要した。さらに現場からの抵抗はあった。

当初はDPCファイルでなく診療行為別の統計を施設に出してもらっていたが、国にDPCファイル提出が次第に求められるようになり、文化が浸透するまで国の動きとパラレルであった要素もある。出来高算定病院は、ましてEFファイルという時代でなかったので、時間を掛けて出来上がった成果でもある。ただ法人の病院を横比較するという極めて単純なことではあるが。

加算、管理料比較がもたらす功績

その実現で、異常値を発見し、算定できるのにしていない漏れを見つけたりすることに役立っている。残念ながら、診療報酬も年々複雑化しており、勘違いなどや請求しているつもりになっていたり、マスタ設定の誤りなどで請求できていなかったりというケースは実際にある。

管理料比較は、特に診療報酬改定後の算定状況確認には大きく役立つ。エラーが起きていないかのチェックに加え、診療報酬改定にその病院がどの程度対応できているのかが一目瞭然となる。マスタ設定にも、ベンダーが対応してくれるもの(自動算定)のものと会計時に、担当者が手打ちでコードを入れるものがあり、特に後者は注意が必要だ。

また、加算については、何についての加算であるかの理解が必要となる。マイナンバーカード利用に係る医療情報取得加算は初診料、再診料の加算であるし、医療安全対策加算は入院基本料の加算だ。大元の加算の前の土台を算定できていなければ、当然加算は算定できないことになる。それを理解していないと、解釈の理解や算定誤りに繋がることがある。

今ではチェックポイント項目も

例えば、「救急搬送看護体制加算」は、救急車受入台数の要件と専任看護師の配置要件があるが、もともとは救急車搬送の初診患者に算定する「夜間休日救急搬送医学管理料」の加算だ。

基本的に要件は、「救急搬送看護体制」の救急車台数と看護配置ができていれば算定できる二階建て加算なので算定数は基本的に、夜間休日医学搬送管理料も救急搬送看護体制加算も同数となるはずである。事務連絡でもそう解釈できる通知がある。

しかし、先の管理料チェックではイコールになっていない施設があり、確認すると漏れていた、というケースは散見される。メンバーでこれはチェックポイントとしてマークしている一例である。

たかがひとつの帳票作成であるが、常にデータが更新される生き物として活用できれば大きなメリットがあると考えている。

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