集約への抵抗対応は、課長の仕事
未切替の発生
グループ病院での方針を定め、ひとつの「標準品」へ集約する際に、現場が切り替えられないと態度を示してくることが当然ある。
たいていは本部から病院へスキームを周知し、メーカーや代理店がその商品をおすすめするときに、「うちは切り替えない」と言われたかアポイントを断られた、という報告を聞いて発覚することになる。まず、周知した時点で「うちはこれこれこういう理由で切り替えられません、何とかなりませんか?」というアクションが取られることはほとんど経験則上、ない。いや少ない。1割にも到達しないだろう。せいぜいスキームを理解するための質問がある程度だ。
まずはメイン担当が
卸や代理店の報告を聞いて、再度本部から施設に連絡、確認しますということになるのだが、まずはファーストタッチはメイン担当が若手であっても行ってもらうべきだろう。
これも経験則上、断りの理由として正当であったり、単なるスキームへの確認や質問を行いたい状態であったり、手続き上の問題や開始時期の問題で済むケースが5〜7割だろう。
あと、本部のスキームの直前または同時に、施設側で違う商品への切り替えを行ってしまったケース、これはタイミングの違いなのだが、施設の取り組みも必要な訳でタイミングが合わず申し訳ない、というのはある。本部や全体最適に巻き込まれてしまった形なので。
ひとつフォローを入れるだけでものごとが進むことはよくある。しかし、この施設が抵抗を示しているという情報を耳にして、フォローを入れるのはたいていひと回りやふた回りも年齢が上の担当者に向かって行うのは確かに骨の折れる仕事だ。しかし、一番情報を持っているのはメイン担当だし、教育の面からしてもファーストタッチは若いメイン担当者がアプローチするべきだと考えている。
ベテラン課長の役割
上記の5〜7割で解決しなかったケース、これはやはりベテラン担当者の仕事だ。部下を守るカッコつけではなく、最近数年間で分かってきたことだが、残念ながら?ベテランになってきて、その自分だから解決できるということがあるということである。
一応言及するが、もちろん若手担当者が至らないからとか、自分がすごいから、ということではなく。
やはり、施設担当者と顔がしれたとか、笑い話ができる間の関係性がある時に、喧嘩になるような抵抗をするのはよっぽどの時だろう。
あとは、もちろん伝え方や言い回しの問題もある。どうしても、隣で聞いていて、もっとこう言う言い方をすればよいのに、ということはどうしてもある。
譲れないところは譲れないと言うが、先方の意見を聞いて、どこまでなら譲歩できるか判断できるのはやはりベテランだ。
また、ずっとこのような切り替えの話を長年しているので、その施設の担当者と共有できる過去の別の物品の切り替えやスキームがあるのもバックボーンになる。
先方も若手担当者の仕事なのに、わざわざベテランが声をかけたり電話してくるのは、全体の方針に従いなさい、と言いたいのだと当然勘づく話だ。
よって、ベテラン、正確にはまず課長級が調整すべきだ。部長級への依頼はまた別の切り替えるためのカードだ。
この間も
先日もアポイントを断られたので連絡をお願いします、とメーカーから言われ連絡を取ると、いかにも察した様子で、既存品が安かったからどうしますか?と言われ、それでは検証させてくださいと言った。その会話は別件の切羽詰まってなどいない話も込みで、対決?姿勢など感じられなかった。たまたま機嫌が良かったときに電話をしたのかもしれないが。(そういう人でもある)
結果として、今回のスキームがとても安価であることは、先方の部下とのやりとりを通じて把握できた。
結構、この作業が億劫だからと行わない管理職もたくさんいる。先方の担当者が仕事のできない人だから、キャラクターに問題のある人だから、と片付けて自身の行いを正当化するのだ。アクションなければ、ここで切替は頓挫するし、メーカーからの信頼も得られない。全体の切替率にも影響するし、今後の取引にも影響するわけだ。
何もカッコつけて結果が出なくても良いのだ。半歩でも進めば道ができる。前へ。
自分の頭で自分の必要な情報が入っただけでも、ものごとが頓挫しかけているときにはとても有益な情報なのだと思う。その発想が必要か。