経営に必要なこと
最近、あまりに当たり前の事だが、医師確保の重要性を切に感じる。やはり一にも二にも医師がいてこそ、の世界だ。
しかし経営を良くするにはそれだけではダメ。
まずは紹介や救急を「断らない」こと。
いくら医師がいても一度断っては、救急隊や近隣の開業医、介護施設から患者さんは来なくなる。闇雲に断るということでなくても、紹介でも救急でも、どういう疾患が得意で、どういう治療をして終わったら返しますという取り決めをきちんと理解いただく必要がある。その病院像も作らないといけない。その要件に合致する患者さんは全力で受け入れる必要があると思う。
次に重要なのはコスト管理だ。
機器整備計画がズタボロだったり、材料費などの管理がされていなければ、お風呂に蛇口からお湯が注がれていても、大きな排水口から流れ出ているようなものだ。これは事務だけでなく経営層がしっかり管理する必要があると考える。
最後は、やはり患者さんを連れて来れる「広告塔」の先生だ。医療に携わる人は意外に考えこんでしまうが、病院経営に必要なことは?と聞けば医療界に素人な人ほどこのことを当てられるだろう。インターネットやSNSがある中で、やはり病気で心配になったら名医や手術件数の多い病院を訪問したくなるのだ。
やはり広告塔の先生がいるいないでは、だいぶ異なる。収益において、単価を上げるだけでは黒字にならず、患者数が継続的にいてこそ、黒字は達成できる。
もちろん、医師確保は相当な困難だ。
どんな人でも良いから医師資格さえ持っていれば、の状態では進もうとする幌馬車をあっちこっち別の方向に引っ張られるようになるだけだ。また危機感やモチベーションがなければ、経営が良くなるはずがない。
そのとき、目標に到達しないときに見過ごされる、放置が許されるような環境では、皆のモチベーションも下がる負の連鎖となる。「辞めてもらっても結構」という刺激が活躍を産むだろう。プロ野球でも一軍二軍、ベテラン若手と常にうかうかできない新陳代謝があり、競争がある。この環境が大事。
医師は医師で、近年、研修医後に美容に行く、「直美」、開業する「直開」に加え、今回、議員になろうとする「直議」なんてものが出てきた。
医師確保のノウハウはあまり知見がないが、各団体の医師確保取り組みは非常にヒントとなるだろうし、研究し見習う必要がある。
もちろん、医師確保チームやリクルーターの存在はあるだろうが、そこに集積された知見とノウハウは貴重。
当たり前のことだが、医師確保、非常に肝要と感じる。