紹介患者の確保

至極、当たり前のことだが、紹介患者の確保は入院患者数確保の上で非常に重要なファクターだ。しかし、全国の病院を見ていておざなりとなっているところが多い。なかなか地域連携の強化がしっかりと図れていない。

外来患者数はリソースを割くわりに入院患者となる割合は少ないし、救急からの入院率は40〜50%であり予定入院でないために、医療従事者に取っては大変、と言える。紹介患者は、近隣のクリニックから情報とともに送ってもらえる素性の分かる患者さんが多くは予定入院の形で入ってくる。その点、受け入れ体制の整備もしやすいのが紹介患者だ。

それなのに、夕方クリニックから紹介されて、16時を過ぎているから、専門医がいないからと紹介患者を断る病院がある。救急も断り、紹介も断りでは当然、経営は良くならない。

そして紹介したクリニックは、多くは1人の先生でやっているので、一度断りがあれば、二度とその病院への紹介を行わない。

紹介した患者を治療後、クリニックへ返さないつまり、逆紹介をしない病院も敬遠される。返書、など文書などのフォローがない病院もそうだ。疾患により全ては、といかないのは分かるが断り、により自らの首を絞めている病院が多い。

各クリニックからの紹介数を見てみると、特定のクリニックから減っていないか。病院全体への紹介数は減っていないか。良くモニターする必要がある。

グラフにする際に、紹介患者数を年累計で把握すると大変流れが分かりやすい。4月なら5〜4月の年合計、もしくは年平均を示して、5月は6〜5月の年合計、もしくは年平均というように1ヶ月ずれで年累計を作ってゆく。すると増減が一目でわかるグラフとなる。

よく地域連携の強化と言って、システムを入れて地域の医療機関の疾患分析などを行うことがあるが、上記のことが出来ないのなら単なるおもちゃのお遊びになる。

一年に一回、先生とクリニック周りをしようとも単なる散歩となる。

外来に相当のリソースを注ぎ、入院を取ろうとする病院や、救急に相当なエネルギーを費やして、悪く言えば、経営上、わざわざ大変なことをしている病院も多く見受けられる。

紹介を改善するエネルギーや紹介患者を受けるエネルギーはそれらの比ではない。紹介患者の確保を足元から見直すべきだが、なかなか出来ていない。

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