廃棄物倉庫の配置
最近、廃棄物管理を巡ってある病院で、こんなことがあった。委託業者より隣同士の、ダンボールなどの再利用資源保管庫がすごく広く、感染性廃棄物保管庫が狭い。入れ替えを打診してきたが、行政にダメだと言われたとのことで話が進まないとのこと。結果、週6回もの回収が必要になり、廃棄物回収コストにも大きな影響があるとのことだった。
廃棄物の問題に留まらず、清掃の運用にも支障を来していた。この廃棄物処理庫が大きくないために、小出しでごみを出す必要があり、清掃回数も多めになっていた。以前にも書いたが、廃棄物保管庫、ごみ庫の大きさとコストは大きな相関がある。
設計上、広い場所を取れればよいが、病院の設計会社はいくつもの病院を設計しても反省が引き継がれないし、おそらく一度建ってしまったら病院からのフィードバックもないから情報も入らないのだろう。
今回の場合は、運良く再利用資源保管庫との入れ替えで問題は解決しそうだ。
他にも、廃棄物処理はkg単位での業者からの請求と、箱単位での請求のパターンがある。kgの方が一見、精緻に見えるが計量が驚くほど杜撰、もしくはなんと実施さえされていない病院があった。その監視のため事務員を配置する、なんてなっており本末転倒なことになっていた。業者との信頼関係もあるが、適宜病院側が管理することの必要性をよく感じる事例だ。
また、感染性廃棄物を入れる病棟のペールでもコスト削減は可能だ。
通常は白地に黄色のバイオハザードマークが入ったペールが主流だが、一度使われたものを再利用したペールもある。黒地にバイオハザードマークが入る。
容量が限られるため、スタンドのサイズが合わないことはあるようだ。削減額としては400床で年間10万円前後と僅かではあるが、色が違うだけでコスト削減ができるのであれば願ったり叶ったりだ。黒地では血液が付着しているか分かりづらいと、医療安全から指摘が入った事例はあったようだが。
以上のように廃棄物委託をとっても削減ができる工夫や留意点はいくつかある。このようなノウハウを引き継ぐことが病院では難しい。