地域包括医療病棟

前回改定より10年ぶりに新設された病棟として、地域包括医療病棟が産まれた。最初の感想としては紛らわしい、名前だなと。地域包括ケア病棟とのネーミングが重なって。略称も、医療病棟と言ったり、地メディ病棟、と言ったところか。

最近になって、地域包括医療病棟に関する記事や書籍などが増えてきた。目にするなかで、留めておきたいと思った内容。

・国は物価高騰、委託費高騰による医療機関の経営悪化を予見して地域包括医療病棟に手厚い点数を与えていたが、施設基準が厳しく届出病院がなかなか伸びない。

▶️救急搬送患者15%、看護必要度15%・入院初日のB3点以上50%以上、平均在院日数、在宅復帰率の順に、医療機関がハードルを抱えている。

▶️次回の診療報酬改定で緩和を求める声が多い。2030年改定では急性期の入院料が統合される見込み。

・看護必要度は外科系の疾患がなければ到達が困難。内科系疾患への評価が課題。

・地域包括医療病棟は新しい地域医療構想では「包括期」にあたる。

・医療機関の稼働率低下は、地域医療構想が始まった当初には想定していなかったことが起きている。在宅医療は2016年から30万人増加。

・地域包括医療病棟への移行は、急性期1からの転換、2〜6からの転換、地域包括からの転換の割合は、それぞれ、3.5割、4.5割、2割。

・急性期病床に入院する患者の主病名は誤嚥性肺炎が14.2%でもっとも多く、どこで診るべきかとなり、地域包括医療病棟が誕生。

・地域包括ケア病棟との棲み分けが課題。医療病棟は、回復期リハビリ病棟は在宅復帰扱いとなるが、地域包括ケア病棟では在宅復帰扱いとならない。

以上のことから、地域包括医療病棟に適した病院像が明確になり、外部要因と内部要因のどれがあれば強み、弱み、機会、脅威となるのか分析がしやすくなった。地域包括医療病棟を提案する際のヒントにもなる内容であった。

しかし届出病院数は現在、約160病院ほどで急性期充実体制加算を届け出ているのが約280病院であり、急性期充実より少ないというのは驚きだ。いかに施設基準が厳しく、医療機関が躊躇しているかの現れだろう。

高齢者救急を担う重要な病棟だけに今後の拡大、機能が期待される。

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