医薬品の入外比率

院内で採用している医薬品について、入院の割合と外来の割合を1剤ずつ出したことがあるだろうか。外来は出来高算定であるので、当たり前のことだが、保険点数の薬価と、納入価の差は薬価差益となる。入院については、請求がDPCあるいは地域包括病棟などの入院料に含まれる、いわゆる包括やまるめという状況になる。すると、ひたすら納入価が小さいほうが優先される。しかし、一般病棟のDPCでない病院や、外来では出来高算定となるので、やはり薬価差益が必要となる。

つまりこれが、病院では後発品切替が進むが、診療所では先発品が残る所以だ。今、医薬品については制度上の課題がたくさんあるが、この後発品の取り扱いのダブルスタンダードも問題だ。選定療養の導入により、状況は多少変わるだろうが、抜け道は残されている。

薬剤によって外来で偏って使うのか、入院だけで使うのか、はたまた入院と外来を両方で使うのか。これにより、先発を継続すべきなのか後発品に切り替えを行うべきなのか、方針が異なってくる。両方使う製剤の場合は総合的に考えて、収益を取りに行くのか、コスト削減を優先するのかを検討しなければならない。また方策が複雑だと、関係者が迷ってしまうので極力シンプルにする必要がある。

自院の電子カルテから過去の実績からその薬剤の入院と外来の使用割合を出せばよいのだが、複数の病院の方針を定める際には、国が実施するNDBのデータが参考となる。

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000177221_00016.html

ここに、それぞれ入院シートと外来シートの投薬量のデータがありその比率を見れば入外割合の比率が見えるというわけである。

製剤により薬価差益を取るか、納入価のコストダウンを取るかが異なる。医薬品の価格交渉だけでは削減が難しいなか、切替や集約を図ることは非常に重要。リスト作りの際には上記のことを意識して、意図が分かるように伝えていく必要がある。

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