加算の増収策

病院経営が7割の赤字だという厳しい環境の中で、診療報酬の加算の取り漏れを防止しようと取り組む病院が非常に増えているのを観測している。

確かに、今までと同じ医療をしていても増収が得られるので理に適った取組だ。かつて、松阪市民病院の先生が「落穂拾い作戦」と題して、経営改善の手法として一世を風靡した取り組みを思い出す。

先生は日本全国各地に出張をし、その取組を紹介したようで全国に門下生は多いが、多くの病院を集めた会場で、できていない病院に、厳しい喝を入れつつ、やる気にさせるような発奮を促す。終了後に事務局とコミュニケーションを図るというような、一連の流れがもはや、芸能、芸能人だったと思う。

今や加算に対して厳しく指導やモニターをしてくれる人がいないのが現実だが、自院の幹部の誰かがきちんとモニターして、時には喝を入れたり叱咤激励したり、褒めたりということが重要と思う、特にこの領域では。

コンサルもあなたの病院は、この加算が取り漏れている、増収ポテンシャルはいくらだのデータからの分析を得意げに行う。確かに、システムを作っているので、それを抽出するまでの手間はかからない。便利ではある。

しかし、大雑把な話をすれば各病院で取り組むべき加算と言うのは、実はあまり変わらない。

・介護支援等連携指導料

・認知症ケア加算

・入退院支援加算

・薬剤管理指導料

・入院栄養食事指導料

・救急医療管理料

・リハビリテーション総合計画評価料

・診療情報提供料I関連

これもABC分析の論理で、大きいものから取り組む必要があるので、小さい加算は置いておいても、算定金額の大きなものから取り組んだ方が効果が大きく、効率的だ。

となると、実は200床ぐらいの病院であれば、上記の加算をマークしておけば、そうそうもったいない取組になったりはしないはずだ。大きな加算を他部署を巻き込んで、丁寧に取り組む方が良いだろう。

査定を恐れて高い点数の加算が取れていない、というマインドの問題、もしくは薬剤管理や栄養指導、介護支援等連携指導料はスキームをうまく作れず算定する機能ができていないのが問題だ。

そこをクリアできれば増収が望める。

ひとつひとつの加算については、さまざまな工夫やチェックポイントがあり、そのテクニックや組織構築をコンサルにまさに取り組んで欲しいところだが、結果を出せるコンサルも少ないのではないか。

先生のように、まずはひとつやふたつの加算でもよい。ボトルネックも諦めずに、突き詰めて取り組むと言うことが当たり前のことだが、大切だと考える。

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