今こそリーダーシップが必要なとき
コロナ後の病院経営は賃金改善や物価高騰もあり、費用に収入が追いつかない状態が続いており7割近くの病院が赤字、という驚異的な状態となっている。
今回は補助金などの、国による支援もない。自助努力で何とかしようとする病院と、診療報酬を上げてもらわないとどうしようもないと白旗を挙げている病院に二分される。まずここで分岐点。
次に自助努力で経営改善しようとする病院も、すぐに効果が現れる費用削減を提案しても、費用は収入を上回らないとか、地方では難しいと言ったやる前から管理者が白旗を挙げてしまうケースが多い。
では収入を挙げてみよ、ということだがやはり単価の向上は急性機充実体制加算や総合入院体制加算でも届けられるようにならない限りは難しい。患者数を急激に増やすのは言うまでもなく大変で、患者を連れてくる白馬の王子様の医師をずっと待ち焦がれる間にその決算期は終わってしまう。収入を上げるためには費用を減らすための何倍もの努力が必要だ。
決算期という会計上の期限があり、融資を行う銀行や世間からはその結果が評価される。
言うまでもなく、経営改善は時間との闘いである。
新しいことをやろうとすると、最近は働き方改革、も言い訳のひとつとする。
働き方改革は各職種の過重労働の是正、医療の安全性の確保など質の改善を行うことであって、新しい取り組みを拒否する術ではない。
もちろん、新しい費用削減の取り組みが手間のかかることで生産性の悪いことであってはならないのだが、多少のストレッチは必要で今病院が置かれている位置を考えれば、優先順位は高いはずだ。
今、必要なことはなにか。
リーダーがこれをいいから、やるんだ!という決意とそれを示すことである。時間との闘いであるから多少の細かいことには目をつぶって、PDCAをモニターすることだ。途中で頓挫する機会は何度も訪れる。しかし、そこを初志貫徹で一気通貫することが必要だ。
管理者自らが、地方だから難しいとかやる前に白旗を挙げているならば、それはもはや不戦敗。こういう危機にはご退場頂きたいくらいの話だ。それに気づいてもらわないといけないのが重要。やはり経営の勉強は重要だ。
時々、私が辞めることが最大の経営改善、などと弱音を吐く役職者もいる。これだけの危機には、容赦なくご退場いただき代わりを据えたいとこだが組織によっては、もはや管理者や役職者をやりたがらない。
経営改善は容易でない。
他人に言われて行う経営改善策の実効性は低い。
容易にできることから強力に進めるんだというマインド、リーダーシップが今こそ必要だ。