リサイクルトナー

事務用品の消耗品で購入金額のウェイトを占めるのがコピー用紙で、次にトナーとなっている。トナーをリサイクルトナー(互換品)に変えたときの削減効果は大きく、複数の病院の切替を同時に取り組んだことがある。

かつては、リサイクルトナー製造の技術も不安視され、リサイクルトナーを使うとプリンターの故障が生じる、ということもあった。そして純正品のメーカーからは、リサイクルトナーを使用した場合の故障は保証しないということになっている。一方、リサイクルトナーを販売する会社はそのトナーを使った際の故障を保証する、というスキームもある。

結論から言えば、リサイクルトナーの技術も改良され、近年においては、切替を行っても差し支えないレベルにまで達したと言ってよいと考える。約30の病院でリサイクルトナーに切替を行い数年が経過したが、大きな問題は発生していない。ただし、競合他社含め全てのリサイクルトナーが問題ないかというとまだまだそうでない様子だ。

このメーカーでも一部のメーカーの電子カルテに接続されている外来受付用プリンターに限り、詰まりが生じるということもあった。リサイクルトナーの中にはまだまだ質が良くないメーカーもあると聞くので、安かろう悪かろうではないが、良く品質を吟味する必要がある。リサイクルトナーの販売高のシェアを見れば継続して購入されているのかが分かりやすいだろう。

そもそも、混同されやすいのがリサイクルトナーと互換品を上記のように同列で扱うことにより誤解が生じる。リサイクルトナーは純正品を文字通りリサイクルしているのに対し、互換品は純正品を模倣して作成しているという点に違いがある。不具合の割合もリサイクルトナーと互換品では大きく異なり、リサイクルトナーは保証のあるものを選び予備を用意しておけば、事が足りることも多い。また、STMC認定工場で作られたリサイクルトナーであるかも見分ける指標のひとつだ。STMCとは、JIS規格のようなリサイクルカートリッジに特化した世界基準のこと。

純正品とリサイクルトナー(互換品)のシェアはおよそ25%とされるが直近のデータは見つからない。おそらくここ10年で増えてきている可能性もある。また、リサイクルトナーと互換品を区別すると、リサイクルトナーのシェアは増えてきているはずだ。

純正品が安全だから、と言う意見もあるがコストとしては純正品とリサイクルトナーでは半額ほどのコストの差額となる。削減効果は事務用品の中では大きいものであるし、事務用品ゆえに取り組んでみるというアクションが必要だ。

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