ユニフォーム委託の運用
病院のユニフォーム運用を委託事業者に任せることが多い。病院は、清掃や警備、給食など多くの分野を委託事業者にお願いすることが多く、委託事業者もそのニーズで成り立っており、病院市場は主要な市場のひとつ。委託費は変動費ながらも、人件費に近い意味合いであることから、実質固定費とも言える。
ユニフォームの運用を最近見直したり、委託業者との交渉を行う病院が最近多いように肌で感じる。
そもそも、カーテンやリネンとの関わりが強いので、本来は同じタイミングで交渉できると良いが、契約期間がバラバラであることも多い。本来は同じ業者に集約したい。病院間の契約期間も異なったりして、スケールメリットを働かせるにも地域の問題もあるし、なかなか困難であったりする。
運用はただ、見直すことができる。
ユニフォームについては運用が、未だに更衣室の棚から好きなだけ取って行ってください、とするところもある。
委託会社の料金体系は1枚いくらのパターンと、職員1人あたりのセットでいくらというパターンが主流。
この1人あたりのセット枚数も1人に提供される枚数が5枚だったり、7枚だったりする。5枚であれば標準的だが、3枚という病院もあった。記名のものに加え、たいていは無記名の予備のものも用意されている。予備があれば、3枚でも回るのだ。
この枚数設定と業者さんが週何回の配送であるのか、がコスト形成に寄与する。
最近は、看護師の夜勤帯と日勤帯を分けるためにユニフォームを変えて区別するのも流行りだ。運用上よい取り組みと思うが、ユニフォームの種類の増加も当然コストには影響する。最近はマスクの色で区別する病院も出てきているらしい。つけ間違え、もありそうな気がするが。
また、ユニフォーム委託は業者の地域性もあり、全国区で取り扱える事業者は少ない。自院の病院グループがある程度のエリアに集中している団体であれば効果は出やすいが、広がっている場合はスケールメリットとしての効果は期待しづらい。
しかし、委託費のウェイトとしては清掃や給食の方が通常大きく、なぜ最近多くの団体で取り組む声を聞くのかは少し疑問である。
前に述べたように、ABC分析の考え方で効率の良い大きいものから取り組んで大きな効果を出すのが鉄則で、経営改善が必要な今こそ、そうすべきだからである。
おそらくユニフォームは全職員に係わるものゆえに経営改善、経費削減の意識付け、もしくはそのシンボルとして敢えて取り組んでいるのか
と類推する。それであれば分からなくもない。
様々な条件が整えば、良い経費削減となり得る。自院の状況を点検した上で取り組むことが必要と考える。