マインドの醸成
経営改善の根幹は何と言っても関係者のマインドの一致、みんなで同じ方向に進もうとする気概が必要だろう。
もともと大切にするものが違っても、皆が理解することが必要。根底は医療従事者という幌馬車に乗っているのは同じだ。
ユニチャーム創業者が大切にしたという、幌馬車の絵は印象的だ。幌馬車の修理や、引っ張るひと、違う方向に進もうとする人、応援だけしている人、ヨイショすることに一生懸命な人、サボっている人。リーダーが進む方向を示して団結しなければ、いつまで経っても幌馬車が進まないと言うことをよく表している。まさしく組織論だ。
ただリーダーシップにもいろいろな形態があるし、トップダウンが全てでもない。
皆が進むべき方向を認識するのは必要だとして、そもそも、まず皆が進もうとしなければ、何も変わらないと思う。
経営改善するにも、本部やコンサルに言われて嫌々付き合うという施設では何も変わらない。冷めている、とでも言おうか。響かない人に何を言っても響かない、というのはよく耳にする話だ。経営改善で進まないパターンとしてよくあるし、経営が悪い病院ほどこのパターンだ。
たいてい医師や看護、事務長まで冷めている。
お付き合いしているだけで、うわべの経営改善策でしのいでいる。家庭教師に嫌々付き合う子どもの成績が一向に伸びないのと同じだ。
その人に響くようにするには、どのようにすれば良いか。もちろんこれもケースバイケースであり、単純な正解はないだろう。
その人に興味、関心があることを示す。これも正解だが、幌馬車の進行方向とあっているか。
重要であるのは、ひとりひとりが稼いで、役割を果たしてこそ組織が成り立っているのだ、と認識することだと思う。動くことへの意義に気づくことだ。営業会社では、収益を上げない営業マンに居場所はない。本当に、民間の株式会社ではそうだ。
病院も事務であっても、どれだけ金額的な貢献をしたか考える文化があって良いと思う。ただ、そのような企業文化を一朝一夕に築くことは難しい。
そうなると、給与や賞与へ、成果を反映させる成果主義が必要ではないかと言う話になる。私は緊張感を持ち続けるためにも、サラリーへの反映は必要だと考える派だ。
それぞれの人なりに、動くことの意義を見出すべきだし、見出せない人は退場して頂いて結構。というのが民間。確かに今回のDPCだって基準を満たさない病院は退場で同じ。組織論だ。強い組織はやるそうだったりする。
ただ、病院の場合は免許がある医療従事者の数が必要で、それにより、施設基準が決まっているから難しいという業界の特殊事情がある。国の診療報酬も、医療職の数によって決められてきた弊害がここにはある。
ある診療科を行おうと思っても、水準の人員数がある。地域の事情やニーズからたいていは無くてはならないものであり、代えが効かないとなって改革は停滞する。どの病院にも不採算部門は存在する。
給与や賞与の成果主義の導入、きちんと業績を評価する評価システムの確立は重要だが、政治的要素も入るのでマインド醸成というのは、医療界では一番難しいところ。
なおかつらみんな各自で、医療に対して強い正義を持っているのが医療界の人間だ。
皆で同じ方向を向いて動く、これが本当に難しい。意識を変えるきっかけ、を作ることが大事だったりする。

