バイオ後続品使用体制加算

令和6年の診療報酬改定にて、バイオ後続品導入初期加算に加えて新設されたのが、表題のバイオ後続品使用体制加算だ。施設基準として要件が分かりにくい上に点数が大きくないのもあり、なかなか医療機関での算定が拡がっていかない。

要件としては、主に直近1年間でバイオ後続品(バイオシミラー➕バイオセイム)の処方実績が100回以上であること、と2つのバイオ後続品グループのうち、1つは直近1年間で80/100となること、かつ、もう一つは直近1年間で50/100となることだ。

後半の要件は、一度読んだだけではなかなかすんなり頭に入らないが、分母もバイオ後続品の使用数量で分子もバイオ後続品の使用数量なので同じでないのか?と思うが、確かに直近1年間で現在使用しているバイオ後続品が1年前から採用されていれば、100/100となる。分母については成分ごとの分類なので先発品を採用していた期間や、バイオ後続品と併用して採用されている期間があった場合は、分母に対して分子が少なくなるという理屈だ。

なかなか事務にこの成分一覧表も浸透していないのがハードルになっているようにも見受けられる。要は、長い期間、併用でなくバイオ後続品を採用している医療機関が評価される施設基準となっている。

使用体制加算ということでなるほど、と解釈するが入院初日に算定できるものの、他の加算と異なり、「バイオ後続品を処方した患者」に、というところで範囲が狭まっている。

使用体制加算なのだから、全入院患者が対象で良いと思うのだが、バイオ後続品を処方した患者だけとはなんともケチくさい。年間の収益も大きくならず、算定へのモチベーションが上がらないと言い訳になってしまう。

一時期、後発品は係数化までされて促進が図られたのに対して、バイオ後続品はなぜ予算が少ないのか。昨年10月の選定療養でだいぶ後発医薬品への切替にまたドライブがかかったと思うが、バイオ後続品にも促進を行うことで医療費削減もできるのでないか。算定病院数も全国の病院で7%だ、ほぼ新規の施設基準であるのに寂しい感じがする。

どうも前回の診療報酬改定は、財務省の影が施設基準にちらついて、財源はベースアップに行ってしまったのかなという状況だ。例えば、薬剤師の調剤薬局やドラッグストアのとの給与格差が是正されたとしても、流出は止まっていないし、看護師も不足もあれば地域偏在もある。財源の当て方が適切だったのかと考えてしまう。

話を戻すと、バイオ後続品に変えることで、材料費も下がる恩恵があるが、インフリキシマブなどは差益も減ってしまったり、バイオ後続品にすることで、高額療養費の負担額に引っ掛からなくなり、患者負担が増えるということがある。国はここまでの事実を把握できているか。

と、バイオ後続品への切替もまだ課題がある。

適応の違いもあり、切替が進んでいる病院と遅れをとっている病院に分かれている。

アバスチンなどは適応が95%は揃っているので、これだけ高い薬は併用して、先発を5%だけ使う価値もあるが、実際には数十%残っている施設もある。加算の後押しが弱いのもあるのではないか。

次の改定こそ増点となることを期待し、取ることが出来る病院は届出をしたい。

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